サンタさんのおもちゃ工場
クリスマスが近づくと思い出すエピソードがいくつかあるんですが、
これはちょっとほろ苦い、娘が幼い時ときのお話です。
年末になると、イベントに呼ばれたりとか県外に行くイベントが多くなるんです。
それで、娘を乗せて車で高速を通ることが多くなるんですけど。
夜になると、高速道路からゴミ処理場のランプが見えるんです。
で、ある時。娘に「あれは何?」と聞かれたんですね。
「ゴミ処理場」と答えてしまうのも、なんだか夢がないな。と思って。
「あれはね。サンタさんの秘密のおもちゃ工場なんだよ。
あの工場で、いい子にしてた子ども達へのクリスマスプレゼントを作ってるんだよ。
これはママと**ちゃんだけの秘密だから、他の子には内緒だよ。」
と、ゴミ処理場をサンタさんの秘密のおもちゃ工場。
と娘が3つか4つくらいの時に教えたんです。
それ以来、娘はゴミ処理場を前を通るたびに
「サンタさーーん!
**ちゃんはおりこうにして、ママのおてつだいもして
とってもとっても、いい子にしてまーーす。」
と窓の外に向かって叫ぶようになりました。
それが小学校1?2年生まで続いていたある日。
娘は学校の行事で工場見学に行きました。
そして工場見学から帰ってくるなり、私に向かって一言。
「ママは私にウソをついたら絶対ダメだって言ったじゃない!」と
言い放って号泣しはじめました。
そう。娘が工場見学で向かったのは、あのゴミ処理場だったのです。
工場見学のバスを降りたら、そこは夢にまで見た ”サンタさんのおもちゃ工場”
でも、建物の内を見学したら大量のゴミが燃えてる。
おかしいなとは思いつつも、「ママが私にウソをつくはずが無い」と信じていた娘は
帰りにこっそり、一番仲の良かった友達に
「あの工場は、実は サンタさんのおもちゃ工場 なんだよ。」と話してしまったんです。
でも、そんなワケ無いじゃないと一蹴され。
周りの子たちも巻き込んで、そのお友達とケンカになってしまったそうです。
しかし、友達とケンカになったことよりも娘が一番悲しかったのは、
ママが自分に嘘をついたこと。だったそうです。
純粋にサンタクロースの存在と、私の嘘を信じていた娘が愛しくもあり
ちょっぴり切なくなる12月の思い出です。
夢のあるウソも時には必要ですが、引き際が難しいものですね。